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デジタルマーケティング

成果の出る施策立案のための「ペルソナ分析」の5ステップ

「ペルソナ分析をしたいけど、どんな情報をどうやって集めればいい?」

「ペルソナ分析で施策を立てるにはどんな手順で取り組んだらいいんだろう?」

とお悩みではありませんか?

ペルソナとは、ターゲットとなる顧客の人物像を具体的なイメージに落とし込んだものですが、このペルソナをしっかり設計することで成果のでる施策を立案することができます。以下の5つのステップを実行するだけで、具体的なペルソナ像を作ることができます、

◆5つのステップ
①自社の分析を行う(3C分析)
②アンケートや、SNS・口コミなどから情報を集める
③顧客セグメントを作成してユーザーを分析する
④セグメントごとにユーザー行動調査を行う
⑤細かくペルソナを設定・シナリオを作成する

今回はこの、成果のでる施策立案のためのペルソナ分析方法を事例と一緒にひとつひとつのステップに分けてわかりやすくご紹介します。100社以上のWebサイト改善支援の実績があるコンサルティングファーム・株式会社メディアシアターが培ったノウハウも詰めこまれておりますので、ぜひご参考にしてください。

こちらの記事をご覧の方は、”WEBサイト改善の鉄則10項目”をまとめた資料も無料ダウンロードしていただけます。「WEBサイトをより良くしたい」「どこを改善すればいいのか分からない」といった方は、この鉄則も使って設計してみてください。

ペルソナ分析で「自社サービスの強み」と「顧客ニーズを捉えた最適な訴求」を発見した事例

以下の事例をご覧ください。

まずは、オンライン学習系サービスを提供されている企業様でペルソナ分析を行ったことで、最適な訴求を発見した事例をご紹介します。

こちらの企業様では、CMにより来訪者数は増えたもののCVRが落ちてしまっており、ユーザーの取りこぼしが起こっていました。そこでユーザーのニーズを捉える訴求を確立し、浅い検討度のユーザーの離脱を防ぐ施策を実装しました。

この事例のようにその時の課題に沿った施策を立てるためにはペルソナ分析が欠かせません。ではこのペルソナ分析を具体的にどのように進めていくかを続けてご紹介します。

ペルソナ分析の5ステップ

ペルソナ分析は、以下の5つのステップで行います。

◆ペルソナ分析5ステップ
ステップ①自社の分析を行う(3C分析)
ステップ②アンケートや、SNS・口コミなどから情報を集める
ステップ③顧客セグメントを作成してユーザーを分析する
ステップ④セグメントごとにユーザー行動調査を行う
ステップ⑤細かくペルソナを設定・シナリオ作成

このステップ1つずつについて説明していきます。

 

ステップ①自社の分析を行う(3C分析)

まず自社の対外的・内在的強みと弱みを3C分析で理解しましょう。
3C分析は、ミクロな環境を構成する「顧客(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の3つの視点から、自社の強み・弱みを捉えることで、成功要因(KSF=key success factor)を見つけだし、戦略に活かすための代表的なフレームワークです。

◆3C分析

この項目を参考にまず3つの要素を書き出しましょう。今回の事例では、以下のように書き出しました。

◆3C分析事例
「顧客/市場」
・なるべく手軽に資格取得したい
・コスパの良いサービスを探している
・目的に合った資格を取得したい
・転職に有利な資格取得を目指す人が多い

「自社」
・手軽に始められる
・価格が安い
・合格実績が高い
・フォローアップがしっかりしている

「競合」
・通信講座A社、通学講座B社、オンライン講座C社
・講座と問題集などとの使い分けも懸念
・通学講座A社はCMも有名で周知されている

この3C分析は非常に有名なフレームワークなので、知っている方は多いのですが、実は捉える視点は人それぞれです。3C分析を施策に活かすために重要な視点は大きく2つあります。

◆3C分析の項目と視点

①POD(ポイント・オブ・ディファレンス)

差別化ポイントと訳され、他社商品との違いの中で、自社商品を買う理由になるものです。自社が提供でき、競合他社が提供できず、顧客が求める独自の価値といった意味で「バリュープロポジション」や「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」とも表現されます。こちらをイメージされる方も多いのではないでしょうか。

②POP(ポイント・オブ・パリティ)

これは、競合を含めてそのカテゴリーには備わっていて当たり前の要素、必要最低条件のことです。デジタル領域での3C分析で捉えるべき視点として、実は非常に重要な視点です。

例えば、BtoB商材において、競合他社は全て「資料ダウンロード」ができるようになっているのに仮にも自社が「ダウンロード資料」の用意ができていないのであれば、顧客が商材検討し、サービス導入の決済を取るうえで、「必要最低限の条件がそなわっていないのでは?」という欠陥を発見することにつながります。

こちらは極端な例と思われるかもしれませんが、ご支援してきた企業様でも、大小問わずこのPOPが備わっていないために機会損失を起こしているケースがかなり発生しております。ぜひ、この視点で3C分析を捉えてみてください。

実際に弊社で3C分析を行う際に使用しているワークシートをこちらからダウンロードできます。記入例もあるので参考にしながら記入してみましょう。

3C分析ワークシート(株式会社メディアシアター)
※この資料の無断転載は禁じます。

3C分析で自社の対外的・内在的強みと弱みを分析できたら、次はアンケートやSNSからユーザーの情報を集めましょう。

 

ステップ②アンケートや、SNS・口コミなどから情報を集める

ペルソナのライフスタイルや価値観なども詳細に設定するには細やかな情報収集をしましょう。Webサイトや広告データを分析して流入ユーザーの情報を調べたり、SNSの口コミを調べてターゲットに関する情報やデータを収集しましょう。また、顧客データを元にメールや電話でアンケート調査を行う事も有効です。

今回の事例ではアクセス解析と簡易ヒアリングを行いました。資格取得サービスを利用したことのある友人や知人から、当時の状況と目的や選択基準、感想などを聞き取りました。

◆簡易ヒアリング項目例
・ユーザー属性(年齢/性別/業種/職種)
・検討している資格
・検討し始めたきっかけと理由
・過去の資格勉強状況(資格名/勉強方法/時期/当時の年齢)
・資格サービス検討時に重視するポイント

情報収集が出来たら、次はユーザーをグループ分けしてそれぞれを分析していきましょう。

 

ステップ③顧客セグメントを作成してユーザーを分析する

これまでに集めた情報を元に想定されるユーザーをグループ分けし、それぞれのニーズや課題感を把握していきます。ユーザー特性に変化を与える傾向を軸に「顧客セグメント」を作成しユーザーを分析します。
「顧客セグメント」とは、対象となる顧客を傾向(性別や年齢、居住地域や、目的に対しての切迫度や状況など)ごとに分けたグループの事です。

検討行動を分析する際に変化が生じる傾向を軸にしてユーザーグループを分けることで、それぞれのグループに最適な訴求を行えます。

顧客セグメントとして今回のオンライン学習サービスの事例では以下の表のように3つのセグメントに分けてみました。

◆簡易ヒアリングをもとに作成した「顧客セグメント」

この顧客セグメントを元に、切迫度の高い「ステータスとして資格取得したい層」と「自分のスキルを活かす層」が自社サービスにマッチしている層と判断し、この2つの層で分析していきました。

顧客セグメントの特徴を分析したので、次にそれぞれの顧客セグメントごとにユーザー調査を行い検討行動を観察することで、実際の課題や真のニーズを深堀りしていきます。

 

ステップ④セグメントごとにユーザー行動観察調査を行う

成果の出る施策を立てるため、ここでさらにユーザー行動観察調査を行い顧客セグメントごとの課題やニーズ等を深堀りして分析します。
ユーザー行動観察調査とは以下の写真のように、ターゲットユーザーを集めてPCやスマホを調査員の前で操作してもらい、ユーザー行動をつぶさに観察する調査手法です。WEB改善手法としても最も効果が高いとされている方法の一つです。

◆ユーザー行動調査の様子(左:調査員、右:被験者)

ユーザー行動観察調査ではアクセス解析では分からないユーザーの検討プロセスリアルな反応などを、実際にユーザーの方に操作をしてもらうことで把握することができます。CVまでの壁となっているユーザーの不安を把握することもできます。

今回の事例でも各顧客セグメントグループごとにこのユーザー行動調査を行い、現状の課題とニーズを把握しました。ニーズとしては2つの顧客セグメント共通で「手軽に勉強したい」という点が分かり、課題としては「安価なのは嬉しいが内容がしっかりしているか不安」と捉えられている事がわかりました。

過去記事:【事例から学ぶ】行動観察調査を行うための5つのステップ

ユーザー行動調査により顧客セグメントごとに分析できたら、最後に「ペルソナ」を設定し、さらにそのペルソナの検索行動などをまとめた「シナリオ」を作成していきましょう。

ステップ⑤細かくペルソナを設定・シナリオを作成する

これまでの分析結果を元にペルソナを設定し、そのペルソナの検索行動や検索段階それぞれでの心理をイメージしたシナリオも作成しましょう。

◆ペルソナ・シナリオ作成例

ペルソナは、ターゲットとなる顧客の人物像を具体的なイメージに落とし込むことが重要です。そこで性別や年齢だけでなく事細かに顧客イメージを作り出す要素をまとめていきましょう。

◆ペルソナを構成する要素
・顔写真
・名前・性別・年齢
・家族構成
・職業・仕事内容・役職
・趣味嗜好
・年収・貯蓄状況・ポートフォリオ
・人生や仕事の目標
・情報の集め方
・悩み・欲求
・人生における物事の優先度
・休日の過ごし方

続いてシナリオも合わせて作成しましょう。作成したペルソナがサービスを検索するときにどう行動し、何を考えているかを、これまでの簡易インタビューやユーザー行動調査の結果を元にまとめていきましょう。

ペルソナとシナリオが完成したらこの分析をもとに施策を検討しましょう。サイトのどの階層でどんな訴求が有効なのか、どのように修正すれば成果がでるのか、今回の分析で把握した課題やニーズも踏まえて施策を立案しましょう。

サイト改善のための様々な施策はこちらの記事でご紹介していますので、ご覧ください。

 現役コンサルが紹介する!成果の出る7つのWEBサイト改善事例

ペルソナ分析の3つの注意点

注意点①理想でペルソナを作らない

「こんなユーザーが良いな」という理想から作り上げてしまうと、実際のユーザーから乖離してしまう可能性があります。担当者のイメージしているペルソナになってしまうのを防ぐため、設定する際の根拠とするデータを明確にして客観的に収集したデータを分析していきましょう。

 

注意点②情報収集を怠らない

ペルソナを作成する際は情報が少なかったり、ユーザーに偏りが生じてしまうと、実際の顧客像と異なってしまい、適切な施策を立てることが難しくなるので注意して分析していきましょう。ただ情報を際限なく集め続けてもコストも時間もかかってしまうので、ご紹介したステップに沿って、3C分析や顧客セグメントを作成することで自社サービスにあったユーザーグループを設定し、的確な情報を得ることができます。

 

注意点③市場に合わせてペルソナを更新し続ける

一度作ったら終わりではなく、市場の変化に応じて更新作業を行いましょう。ペルソナは実際に存在する人物像をイメージして作るため、世の中の状況に合わせて変化していきます。このペルソナが実際のターゲット顧客とずれてしまっていては成果を出し続けることは難しくなります。コンバージョン率が低くなったり、市場の変化が起きた際は先送りにせず、ペルソナを再設計していきましょう。

 

まとめ

今回はペルソナ分析を行うための5ステップをご紹介しました。ペルソナ分析を行うことでチーム全体で共通認識を持てるので、施策や顧客とのコミュニケーションのブレを最小限にすることができます。また、顧客起点の課題発掘もできるため、効果的な施策案を出すことが可能になります。

もっと詳しくペルソナ分析や行動観察調査について知りたい方は弊社が随時開催している「訪問型の無料勉強会」をご利用ください。勉強会ではみなさんのサイトに合わせた改善方法をご紹介できます。また、勉強会でしか聞けない、1000を超えるご支援実績から生み出した成果方法論や、ユーザー行動観察調査のプロがユーザー文脈を理解したWEBサイト改善方法もお伝えしています。ご興味のある方はお気軽にこちらにお問い合わせください。

また、この記事をご覧の方は”WEBサイト改善の鉄則10項目”をまとめた資料も無料ダウンロードしていただけます。「WEBサイトをより良くしたい」「どこを改善すればいいのか分からない」といった方は、この鉄則も使って設計してみてください。

この記事を書いた人
今井 麻菜
MediaTheateにて営業アシスタントをしています。セミナー開催やブログ執筆等を務めています。WEBマーケティング担当者の方に有益な情報をお届けしていきます。

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