GA4とBigQueryを連携することによって実現できる3つのこと
GA4(Googleアナリティクス4プロパティ)とBigQueryを連携することで、データ分析による多くのインサイトを見つけることができます。
GA4は、Googleアナリティクス(無料のアクセス解析ツール)の新しい規格であり、2020年10月にリリースされたアクセス解析ツールです。
BigQueryは、分析用に収集した膨大なデータを超高速で処理することができることを最大の特徴としている、Google提供のデータウエアハウスです。
マーケティング担当者として、最大限にデータ分析の幅を広げていきたいと考えているのであれば、前提として以下で述べるビッグクエリのGA4と連携することで実現できる3つのことを学んでおくべきです。
なぜなら、GA4とBigQueryを連携することで分析の幅が広がる一方で、今までとは違う分析方法になることで、一定量の人的リソースを確保しなければならないからです。
実際に100社以上のUI/UX改善支援の実績があるコンサルティングファーム・株式会社メディアシアターが、どのようにすれば最大の効果をあげられるのかについて解説いたします。
目次
GA4と連携することで実現できる3つのこと
生のデータを直接分析できる
生データとは、集計前のデータ情報であり、1PVやイベントごとに1行ずつログが記録されたデータのことを指します。
GA4に存在するWebサイトの生データを扱おうとした場合、今までは月額150万円以上のコスト負担を強いられる有償版の「Google Analytics 360」を使用する必要がありました。
しかし、GA4とBigQueryを連携させることにより、生データを無料で、直接分析することができるようになります。
つまり、今まではグラフや表など集計された後のデータしか見れませんでしたが、連携してSQLを使用することで、自由な分析が可能になります。
その結果、さまざまな切り口でPVや離脱率などを分析することができるようになるため、より詳細で正確にユーザーの行動を把握できるようになるわけです。
例えば、生データを利用すると、平均値だけでなく最頻値も可視化できます。そのため、ページ滞在時間が60秒の場合でも、最頻値で見ると10秒である場合も多々あります。この場合、大半のユーザは60秒滞在しているということとは全く違ってきます。これも生のデータがなければ、それを知ることはできません。
オフラインとオンラインの統合分析により、今まで見えなかったカスタマージャーニーを発見できる
BigQueryでは、Googleデータポータルをはじめ、TableauやPower BIなどのBIツールと連携させてデータを収集、蓄積することが可能です。
◆Googleデータポータル
引用元:Googleデータポータル
従って、GA4とBigQueryを連携させると、GA4から取得したサイト上の閲覧履歴と、オフラインで収集した様々な購買履歴を掛け合わせて分析することができるようになります。
これにより、GA4にアップデートされた最新のデータを用いて、リアル顧客とインターネット上の顧客行動がどう関連しているのかが分析できるようになりますので、これまでとらえきれなかった顧客の動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化することが期待できます。
例えば、GA4では、セッション数1=初回訪問、2以降は再訪回数になりそのデータごとにCVRが可視化できます。そのデータを見ると「初回訪問は確かにCVRが低いが再訪を重ねるごとにCVRが上昇する」ということが分かるとしましょう。
このデータを深堀りすれば「こういった顧客ならばたとえ初回訪問でCPAが合わずとも、最終的には全体でのCV数ここまで伸ばせるためLTV観点では重要なポテンシャル顧客である」といった最適なカスタマージャーニーを発見できる足がかりとすることができます。
GA4のデータをグラフや表にビジュアライズできる
BigQueryはBIツールを連携させることで、GA4のデータをドラッグ&ドロップによる直感的な操作でビジュアル化できるようになります。
◆ビジュアル化したGA4のデータ
引用元:Googleデータポータル
つまり、一般ユーザーが使用しているような簡単な操作方法で、ユーザーの行動履歴を、エンドユーザーが探索的にクロス集計したり、グラフ化したりといったようなことができるようになるわけです。
また、BIツールによっては、レポートのテンプレートが用意されているので、連携の設定さえすればすぐにGA4のデータをレポート化できます。
GA4とビッグクエリの連携方法
GA4とBigQueryのアカウントを持っていれば、以下の手順で簡単に設定できます。
BigQueryのアカウントを取得するためにはBigQueryのページにアクセスし、「アカウント情報」の登録画面から、国と電話番号、アカウントの種類、企業名/組織名、クレジットカード情報、請求先の住所などを登録しなければなりません。
◆BigQueryアカウント登録画面
引用元:Google Cloud
クレジットカード情報を登録することになりますが、「BigQuery無料トライアル」だけの利用も可能で、トライアル期間が終了した後に、自動で料金が請求されることはありません。
自動更新がされませんので、有料版にアップグレードする場合は、あらためて手動で登録する必要があります。
その後の手順は、下記の通りです。
①プロジェクト作成
まずは、Google Cloudの管理画面にログインします。
Google CloudのURL:https://console.cloud.google.com/?hl=ja
ログインをしたら左上のプロジェクトを選択をタップします。
引用元:Google Cloud
その後、「新しいプロジェクト」を選択します。
プロジェクト名を指定して作成をタップすれば、プロジェクトの作成は完了です
②API有効化
プロジェクトの作成が終わったら、左側のメニューより、「APIとサービス」⇒「ライブラリ」⇒「カテゴリ」⇒「ビッグデータ」の順に選択します。
引用元:Google Cloud
「ビッグデータ」の画面で、「BigQuery API」を選択します。「APIが有効です」と表示されれば有効化の確認は完了です。
引用元:Google Cloud
③GA4とBigQueryの連携
GA4の管理画面を開き、「BigQueryのリンク設定」を選択します。
引用元:GA4
つぎに「リンク」を選択し、先ほど作成したBigQueryのプロジェクトを選択します。
引用元:GA4
「データロケーション」や「頻度」などを選択し、「送信」します。
引用元:GA4
「送信」すると、GA4とBigQueryが接続されて、GA4の「BigQueryのリンク設定」に連携先のプロジェクトが表示されます。
GA4の実際のデータは、設定後24時間以内にBigQuery上に反映されるようになります。
④連携できたか確認する
BigQuery側でGA4から連携対象として設定したプロジェクトにアクセスすることで、データを確認できます。
プロジェクトの中にデータセットが作成され、日次毎にテーブルが生成される形式です。
引用元:GA4
UAとGA4の決定的な違い
UAとGA4が決定的に違うのは「計測方法」です。
UAはセッション(訪問)中心の計測方法でしたが、GA4はユーザ中心の計測方法に変更されています。
引用元:上がUA,下がGA4
今までは「セッションを起点に、いかにコンバージョン率をあげるか」という視点でページ改善仮説を立てていました。
しかし今後は、ユーザーを重視する計測に変わったため、セッションを起点に考えるということよりも、「どんなユーザにサイトに来てもらうべきか?」を中心とした考え方ができるようになりました。
つまり、一人のユーザーがパソコン、スマホ、タブレットなど、複数のデバイスでWebサイト閲覧をおこなうライフスタイルが定着した現代においては、異なるデバイスからのアクセスでも同一ユーザーとして計測できる設計に見直す必要がでてきたというわけです。
まとめ(GA4とBigQueryを活用して効率よくデータ解析しましょう)
このブログでは、今まで100社以上のUI/UX改善の支援実績を持ち、マーケティング戦略の刷新に寄与してきたコンサルティングファーム・株式会社メディアシアターがGA4とBigQueryを連携させてSQLで分析する方法について解説してきました。
GA4とBigQueryを連携することによって実現できることは、以下の3つに要約できます。
- 生のデータを直接分析できる
- オフラインとオンラインの統合分析により、今まで見えなかったカスタマージャーニーを発見できる
- GA4のデータをグラフや表にビジュアライズできる
BigQueryとGA4を連携すれば、特別な技能を持たなくても、アクセス数の多いサイトなどの膨大なデータを高速で処理して分析することができるようになります。
BigQueryは特に、Webサイトやアプリの分析業務に従事している方にとっては活用の幅が広いサービスです。マーケティング担当者のみならず、オンライン情報の解析を行っている全ての方に、BigQueryとGA4の連携による相乗効果を体験してみていただきたいです。
この記事が、そのひとつのきっかけになれば幸いです。
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